人工授精や体外受精の採卵周期・移植周期に入ると何かと忙しくなります。当然体調管理も難しくなります。そういったことがなければできるのですが,それではまだ治療前の段階やあいだのお休み周期の過ごしかたは?
ここではどんなものを食べてどんなふうに過ごしたらよいのかをお話しします。
月経期 排出モードのデトックス期
月経は古い子宮内膜と経血のほか,老廃物やストレスなどもまとめてデトックスする時期です。からだを冷やしやすいときなので,からだを温めて家でのんびりします。
- 朝は温かい飲み物を摂る
- 仕事を早めに切り上げて夜はくつろぐ
- アルコールやドリンクはホットで
基礎体温が高温相から低温相に移ってくるので,また経血の排出で子宮口が開いているから外から冷えが忍び込みやすくなっています。また月経によって血液が衝もしているので,無理せず早めに休むようにしてリラックスモードにします。また経血を排出しているとはいえ血流自体はあまりよくないので,温かいものを摂ることとお風呂にゆったり浸かるなど血液循環を上げてデトックス効果を高めるようにします。
骨盤の状態―デトックス期なので開き気味です。ゆがみやすいので姿勢に注意します。
月経期の鍼灸Click!
卵胞期 パワフル期
卵巣の中で卵胞が成長しエストロゲンの分泌が活発になってくるので,攻めの生活にスイッチします。
- 適量なら甘いものを摂って大丈夫
- イベントや友人たちと楽しく過ごす
- 良質な脂質の青魚やミネラル豊富な海藻を摂る
- 卵やナッツ類の木の実を摂る
代謝がよくなっているので脂肪燃焼効果も高く体重を気にされている方はダイエットにも向いています。甘いものを食べたり楽しく過ごしたりしてストレスフリーにしておきます。女性ホルモンを体内で合成するので,DHAなど良質な脂質を含んだ青魚はとてもよいのです。また東洋医学では黒い食べ物がよいとされているので,海藻や黒ごまなども摂るとよいでしょう。また生命を宿している卵や木の実,果実も積極的に摂ります。
骨盤の状態―徐々に引き締まっていきます。おしりの筋肉が硬くなりやすいのでストレッチなどでほぐします。
エストロゲンに効果のある食べ物―大豆イソフラボン
納豆,豆腐,豆乳,油揚げ,みそ,きなこ
卵胞期の鍼灸Click!
排卵期 調整期
排卵を境にホルモンがエストロゲンからプロゲステロン優位になります。黄体期になると卵胞期と違いアクセル全開というわけにはいかなくなるので,からだとこころの負担を少しずつ減らすようにします。
- 野菜や果物を意識して摂る
- スマホやPCのし過ぎに注意
- 面倒なことは今のうちに片付けておく
- 発酵食品をなるべく1日1品摂る
黄体期になるとからだの不調を覚えやすくなるので,そのための準備になります。むくみやすく便秘になりやすくなります。ミネラルと食物繊維,また発酵食品を摂ることも効果的です。睡眠不足に注意して早めに休みます。面倒なものを後に回さないようにして,服装なども楽な感じにしておきます。
骨盤の状態―閉まってきます。排卵に近づくにつれてエストロゲンがピークになりますのでくびれ作りやダイエットがしやすくなっています。
排卵期の鍼灸Click!
黄体期 PMS期
次の月経に向かっていく時期なので,からだの不調も集中力も低下します。生活を整えることを最優先とし,気負わずリラックスしましょう。
- 根菜やきのこを摂る
- 朝きちんと起きて日光を浴びる
- やりたくないときは後回し
- ゆったりお風呂に浸かりふくらはぎのマッサージを
- 食欲が暴走するので温野菜をたっぷり
むくみや胸の張り,頭痛など月経前症候群PMSのような状態が徐々に現れてきます。腸の動きが鈍くなるので食物繊維を摂ります。眠れなかったりして生活リズムが少しずつ狂いそうですが,朝の光をきちんと浴びるようにします。やらずに済むものなら後に回して,足のマッサージなどでゆったりするようにします。食欲が増す方もいるので温野菜などで満たすようにします。
骨盤の状態―次の月経に向けて徐々に開き気味になります。姿勢に気をつけるのとリンパマッサージなどで溜まりやすい水分を排出します。
プロゲステロンに効果のある食べ物―ビタミンE
アーモンド,くるみ,かぼちゃ,うなぎ
黄体期の鍼灸Click!
まとめ
人工授精や体外受精がないときと想定して,たのしく気楽に元気に過ごすことを第一に考えてみました。
- 月経期:まずはデトックス
- 卵胞期:パワーをつけてアクティブに
- 排卵期:排卵に近づくにつれてパワーMAX,排卵したら少しずつ調整
- 黄体期:コンディションを整えて生活リズムを守る
女性の月経リズムはからだとこころにアップダウンの激しい変化をもたらします。強引にリズムを作ろうとせず,むしろリズムに合せて生活していくことが重要です。